大きな目標があるのに、なかなかモチベーションが上がらないことってありますよね。
やる気を出す方法やモチベーションを上げる方法は、様々なものがあります。
ただ種類が多すぎて、どの方法が自分に合うのかが分かりにくくなってしまっています。
どうもこんにちは。たか(@taka_manatabi)です。
やる気を出す方法やモチベーションを上げる方法を模索している間は、いろいろな方法を試すのが良いです。
自分に合うものがなかなか見つからなくても、「この方法は自分には合わないな」ってことが分かるだけで1つの収穫です。
ただ、100%近くの人に当てはまる方法があるのも事実です。
それが、心理学を用いた方法です。
ということで今回は、心理学から見るモチベーションアップの方法を紹介します。
心理学とモチベーション
モチベーションは、人間の「心」に大きく関係します。
人間の心の部分であるモチベーションを上げることで、作業がはかどったり集中できたりと行動にも良い影響を与えます。
つまり、「心」と「行動」は切っても切り離せない関係なんです。
その「心」と「行動」の関係を研究する学問が心理学なのです。
なので、モチベーションをアップさせる方法を心理学の視点から考えることは、理にかなっていると言えます。
そして、今回は「目標勾配(もくひょうこうばい)」という心理学の考え方からモチベーションアップの方法を紹介します。
目標勾配
「目標勾配」はあまり聞き慣れない言葉ですが、一体どういう意味なのでしょうか?
まずは、目標勾配の意味と例を見てみましょう。
目標勾配の意味
まずは「目標勾配」の辞書的な意味をみてみましょう。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
目標勾配
(読み)もくひょうこうばい
(英語表記)goal gradient
心理学用語。一連の反応を含む学習 (たとえば迷路学習)において、目標に接近するにつれ、次第に学習の効率 (誤りの減少)が増加すること。
(参考:目標勾配とはーコトバンク)
辞書なので難しい言い回しをしていますが、一言で「目標勾配」を説明すると次のようになります。
目標勾配:目標に近づけば近づくほど、モチベーションも効率も上がってくる心理現象。
つまり人間は、
- 目標が遠い→モチベーションダウン
- 目標が近い→モチベーションアップ
このように目標までの距離で、モチベーションが上がったり下がったりするということです。
このことは、ある心理学の実験から分かったことなんです。
コーヒーのスタンプカード
その実験とは、ある喫茶店で「コーヒーを10杯飲むと1杯無料」というスタンプカードを使った実験でした。
喫茶店に来たお客さんに、「コーヒーを10杯飲むと1杯無料」というスタンプカードを渡します。
コーヒーを1杯飲むとスタンプが1つ押されるという、よくあるスタンプカードです。
まず、お客さんをA・Bの2つのグループに分け、それぞれ違うスタンプカードを渡します。
- Aグループ:スタンプの欄が10個あり、始めは何もスタンプが押されていないカード
- Bグループ:スタンプの欄が12個あるが、始めからスタンプが2個押されているカード
どちらも無料のコーヒーをもらうために必要なスタンプの数は10個です。
この2種類のカードのどちらかのカードを渡して、結果の違いに注目します。
このような実験をしました。
どちらのスタンプカードも、必要なスタンプの数は同じですが、一体どのような違いがみられるのでしょうか?
皆さんも少し考えてみてください。
考えましたか?
実験結果はこうなりました。
2種類のスタンプカードを渡した結果、同じところと違うところがありました。
【同じところ】
A・Bともに、10個目のスタンプが近づくにつれて、コーヒーを飲む頻度が上がった。
【違うところ】
AよりもBの方が、10個のスタンプを埋める可能性が遥かに高かった。
結果から分かること
この実験結果からどういうことが分かるのでしょうか。
まず、A・Bともに、10個目のスタンプが近づくにつれて、コーヒーを飲む頻度が上がったということについてです。
これはまさに「目標勾配」の意味通りの結果です。
「10個目のスタンプが近づく」=「目標に近づく」
となるため、だんだんとモチベーションが上がり、コーヒーを飲む頻度が上がっていったのです。
次に、AよりもBの方が、10個のスタンプを埋める可能性が遥かに高かったということについてです。
なぜAよりもBの方が目標達成率が高かったのかというと、それは両者の心情の違いに関係があります。
AとBにどのような心情の違いがあったのでしょうか?
Bの方は、始めからスタンプが押されているため、「自分がすでに目標達成に向けてスタートを切っているイメージ」があります。
その結果、Aよりも目標達成に対するモチベーションが高くなったのです。
目標勾配の例
目標勾配の効果が発揮される例で、一番分かりやすいのが「長距離走」です。
学生の頃を思い出してみてください。
体育の授業で、長距離走をする機会があったと思います。
その距離の長さのせいで、走る前はなかなかモチベーションが上がりません。
しかし、ゴール前はどうでしょうか?
今までよりもスピードを上げて、ほぼダッシュに近いスピードでゴールに向かいませんでしたか?
ゴールという目標が近づいてきたことによってモチベーションが上がり、ラストスパートをかけられるのです。
まさに「目標勾配」の効果ですね。
モチベーションアップの方法
では実際に、目標勾配を利用したモチベーションアップの方法を考えてみましょう。
目標勾配を利用してモチベーションを上げるには、ゴールをたくさん用意するのが一番効果的です。
どういうことなのか、詳しく説明します。
ゴールをたくさん用意する
人間は、目標までの距離が遠いとモチベーションが下がってしまいます。
ならば、目標までの距離を短くしちゃえば良いんです!
大きな目標はどうしても現在地点からは大きく離れています。
なので、その大きな目標を達成するために必要な、小さな目標を設定します。
小さな目標は、比較的ゴールまでの距離を短くし、常に「これくらいならできるかも」と思えるようにしておきます。
そういうゴールをたくさん用意することで、モチベーションを上げることができるんです。
もう少し具体的にみてみましょう。
目標を小さく分割する
大きな目標を小さく分割することで、常にゴールまでの距離が短い状態を維持できます。
例えば、ある大学生がレポートの課題を出されたとしましょう。
「レポートを完成させる」という目標は、達成までに時間のかかる大変な作業です。
そこで、この目標をいくつかに分割し、小さくしてみましょう。
- レポートの内容を決める
- レポートの仮タイトルを決める
- レポートの見出しを決める
- レポートの導入部を書く
- レポートの中身を書く
- レポートの結論を書く
このように「レポートを完成させる」という大きな目標を、6つの小さな目標に変えると、少し簡単そうに感じませんか?
こうやって、小さい目標を達成するモチベーションが長く続くことで、結果的に大きな目標を達成するまでモチベーションが維持できるんです。
まとめ:目標勾配でモチベーションアップ!
今回は、心理学の「目標勾配」を利用したモチベーションを上げる方法を紹介しました。
目標を小さく分割することで、モチベーションを高い状態で維持できます。
何か大きな目標がある人は、まずは小さな目標に分割してみましょう。
そうすれば、自然とモチベーションは出てきます。
モチベーションを上げる方法ややる気を出す方法は、他にもたくさんあります。
自分にあった方法を見つけるまで、いろいろな方法を模索してみてください。
簡単にできるやる気を出す方法を知りたい人は、こちらを読んでみてください。
やる気を出す方法を、今回の「目標勾配」を含めて5つ紹介しています。
誰でも簡単にできる方法だけを集めたので、ぜひ読んでみてください。
また、他のモチベーションの記事は下記にまとめているので、ぜひ読んでみて下さい。